ジェームス・ボンドは何に関しても、とってもPicky(ピッキー、好みにうるさい)。腕時計はロレックス、カクテルはマティーニ(映画などでは細部を追ったらきりがないので端折られているが、ジンとウォッカが3対1、フランス産のアペリティフ Kina Lillet をハーフメジャー。シェイカーで振ったあとグラスはシャンパン・ゴブレット、オリーブではなく細く切ったレモンピールを添える)。
朝食の好みも大変うるさく、ジャムはTiptreeのイチゴジャムか、Cooper'sのマーマレード。蜂蜜はFortnum&Masonとなっている。
「ロシアから愛を込めて」で、イアン・フレミングはボンドの朝食シーンをこう描く。
「濃い青に金が縁に施されたエッグカップに卵をひとつ。その卵は3分半きっかり茹でたもので、殻に斑点模様の入ったフレンチ・マランの新鮮な卵」
ボンドの小説は12冊発行されているが、どれにも卵を食べるボンドの描写がある。時にはスクランブルエッグ、時にはタルタルステーキに生卵。時にはシャンパンと、時にはベーコンとサンドイッチで‥
ダニエル・クレイグが007を演じた「カジノ・ロワイヤル」の原作では、3回も卵が登場する。
一度めは、上陸したフランスのディエップ港で、オレンジジュースと卵3つを使ったスクランブルエッグの朝食。
二度めは、やがて恋に落ちるダブル・エージェントのヴェスパをディナーに誘い、前菜にキャビアと固ゆで卵のトーストを注文する。
三度めは、またもやヴェスパとのデートで、シャンパンとともにスクランブルエッグとベーコンをオーダー。
‥話が逸れましたが、ウチの自慢のコはフレンチマランなんです。
卵のお味はフレンチマランであろうがなかろうが、産みたてなので、もう無条件にうまいですよ。
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