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mikiynot

秋の感謝祭、は家の前で毛布にくるまって、ストライプについて考えた。

Updated: Dec 9, 2020

お隣に、新しく引っ越してきた若いカップルさんとお友達になった。

ロックダウンではあるけれど、家の前に駐車できる大きさのスペースがあって、そこにご招待してキャンピング椅子を持ってきてもらい、1時間ほどおしゃべり。


寒いので、一番分厚くて長いコートを着て、毛布も持って、サーモのマグカップにお茶を入れて。

お隣さんは、旦那さんがアメリカのジョージア州アトランタ出身、奥さんがポルトガル出身アメリカ育ちで、いま猫2匹を飼っていて、1月にはラブラドールの子犬を家族に迎えるんだという。来年、再来年あたりには赤ちゃんがやってくるかもネ。


当然、アメリカとイギリスの違いなんかも話題になりまス。


そういえば、先週末は感謝祭。アメリカのドラマなどを観ていると、感謝祭ってとっても大事で、見ていると欧米のクリスマスと同じくらい? もしくはそれ以上? と思えて、「感謝祭はこの週末だったね‥ところで感謝祭とクリスマスって、アメリカ人としてはどちらがお祝いごととして大きいの?」って聞いてみた。


「それって、よく聞かれる質問なんだよね(苦笑)‥そうだね、比較するとクリスマスの方が大きいけど、頭の差かな」というお答え。


こういった、家族や友人が集まるパーティーやディナーの席での話題について。


「前は、休暇の話や不動産の話ばっかりだったけど、ここ10年くらいは政治の話もよくするようになったように思う。アメリカではどう?」と私。


アトランタ出身のご主人がすこーーーーしだけ顔を曇らせて、「残念ながら、政治の話は家族間ではご法度なんだ。特にこの4・5年は、かなり激しい言い合いになってしまうので、父が政治的な会話は禁止と決めてね。でもついついそっち方面に話がいくこともあって、案の定、喧嘩になってしまう。僕の兄はかなり熱心な共和党で、僕は民主党寄り。宗教の話がご法度、というのとよく似てるけど、ここ数年は特に熱くなって、ムードが険悪になりがちなんだ」


アトランタといえば、ジョージア州の首都。先月の大統領選で、Swing Stateとして世界に手の汗を握らせた州のひとつだ。


「そうなんだ。政治的見解が水と油のようになりすぎて、家族間でタブー話になるとは聞いたことあるけど。でもトランプが次期大統領に選ばれた日の翌日、私はたまたまヨセミテ国立公園にいたんだけど、アメリカ人で、叔母と姪で旅行に来ていた二人と知り合ってね。一緒に仲良く歩きだして、おしゃべりしてたら『トランプが次期大統領に選出されたけど、どう思う?』って聞かれたんだよ。その時、アメリカの政治についていかにも異邦人の私に聞いてくるという、屈託のない、というか‥分け隔てない態度に感心したんだよ」と私。


「それは分かるわ、私も彼の兄とは話せるのよ」と奥様。

「私は家族になったとはいえ、出身国も違う部外者だから、気楽に話せるみたい。しかもかなり冷静に、語り合うこともできるのよ」と言います。


‥そこで私、かなり鈍〜いながら、はたと気がついた。


そうか、私は部外者だから、アメリカ人同士では無理な話題も、気楽に話せるんだ。「分け隔てのない」ではなくて、「誰にも話せないけど、ここだけのハナシ、あなたとなら話せる」安心感があったのね。


国民間で政治分裂が著しいアメリカ。その極化に貢献してしまっているのは、これかもしれないなぁ、と思った。


だって、「話が合わないから話さない」では、ずっと平行線。お互いの考え方を刺激しあえばその時は無毛な会話に思えても、後からボディーブローのようにじんわり効いてくることもある。違う見解を持つ人と、意見を戦わせることはとても大切なように思うんだけど‥


友好を保つための、家族や友人との平行線。ご近所さんとも保つ平行線。自分の考えを裏付けたり、勇気付けたり、景気付けてくれるのは同じ立場に立つ人たち。他の人たちとは「話しても、お互いの気持ちを害するだけ」と封じ込めてしまったら、交流はなくって、違うレーンを走っているみたいだ。


人によってどの分野にどれだけキャパシティがあるかは違うと思うんだけど、情報が掴み放題、取り放題の今、自分の見たいチャンネルだけに合わせ、SNSも報道ソースも選ばないと処理機能が追いつかない。結果、これだけたくさんの情報があるのに、耳を傾けてられるのはほんの一握り。もしかしたら、外部からの情報が何十倍もある今、オート制御機能が働いて受付窓口を狭くしているのかも。


星条旗のストライプは、もしかしたら、この交流のない平行線を表しているのかもしれない。

これらは、その4年前の11月、ヨセミテ国立公園での写真。


11月は寒くて天気が悪いかもと思ったら、とてもラッキーなことに快晴に恵まれた。この時期、たいてい水枯れするヨセミテ滝も、ドウドウと落ち虹を巻きます。


『カンバス製のキャビン(暖房付き)』という施設に泊まったんだけど、80年代くらいから使っているような暖房機で、エコな公園なはずなのにヒジョーに燃費が悪く、布一枚で隔たれているテント内部をこれで温め続けるのはどうかと思いながら‥。ガーガーいう暖房機をゴンゴン炊く(苦笑)。やっぱり夜は冷え込むので夜通し稼働させることになるんですよね。今は改善されていればいいなぁ。


突っ込んだ会話をしてくれて、一緒に歩いてくれた叔母と姪っこさんのお二人の写真も。山のてっぺんでランチも分けてくれて、さあ下りましょうか、と、ドンドコ歩いている最中です。


ところで、右下の最後の木の写真。おそらく、落石を受け止めたものと思われます。 

岩が落下してきたとき、「寸止め」で止まって、木が落下の衝撃を免れた。

その若木が育つと同時に、少しずつバランスを崩した石が近づいていき、受け止める形になったのかな?と想像。


「よっしゃ、来るか〜。しゃあない、俺が受け止めたる。この道、わいが守ったるで!」という心意気が伺えるようで、ちょっと感動的な光景でした。

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